現代人の睡眠に異常がきている。睡眠をちゃんと考えないと色々な病気の発症リスクが高くなると教えてくれていたのがスタンフォード大学、睡眠生体リズム研究所所長の西野精治先生。!
普段はなかなか眠れないけど、土曜日とか日曜日にまとめて寝れば大丈夫!実はそれだけでは、睡眠不足が解消されないんです。
その理由と解消法を紹介しますね。
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睡眠不足という考え方は古い?睡眠が足りないとどんどん溜まっていく。睡眠負債が怖い
なんだか頭がスッキリしなかったり、日中に眠たかったりすると、日本では「睡眠不足かな…」っていいますが、その睡眠不足は実は、睡眠負債かもしれません
なぜ睡眠不足じゃなくて睡眠負債?何が違う
睡眠不足の考え方は多少寝足りなくても、休みの日にまとめて寝ればすぐに取り返せる!ぐらいの考え方です。睡眠不足は1日~2日間しっかりと熟すできれば解消できるレベル。
睡眠不足に対して、睡眠負債は違います。
睡眠負債は、睡眠が足りていない状態が続くと、お金の借金と同じ様にどんどん睡眠が足りていない状態が体に溜まっていく事、だから1日や2日では普段の睡眠負債を取り戻すことができない状態になっているんです。
だから、毎日に睡眠が足りていないと、どんどん睡眠負債が蓄積されて、いろいろな病気の発症リスクが高まると言うんです。
なぜ睡眠負債はよくない?睡眠が足りないとなぜ体に悪影響がでる?
人間の体は寝ている間に、体の中に溜まった老廃物を処理し、健康な状態を保とうとしています。
でも、睡眠が足りていないと、体の中に溜まった老廃物の処理が行き届かずに、処理しきれなかった老廃物が体の中に溜まっていきます。
だから、睡眠の足りない状態が続くと、気づかないうちに体の中に病気の危険因子が蓄積されている状態なんです。
睡眠負債を解消するにはどれぐらいの時間がかかる?睡眠負債の調査の結果から
睡眠負債がなく、しっかりと眠る時間を確保できていれば、適正な時間睡眠をとるとそれ以上は眠れなくなります。
実験では、健康な男女10人に1日14時間ベッドに入ってもらい好きなだけ寝てもらいました。実験に参加した人の調査開始前の平均睡眠時間は約7時間30分でした。
初日は13時間ぐらい寝ていたんですが、睡眠時間は徐々に減少し、3週間以降は約8時間10分しか眠ることができなくなりました。
これは実験に参加した10人は本来睡眠は8時間10分だったということなんです。この結果から実験に参加した10人は毎日40分の睡眠負債を抱えていたと考えられるんです。
そして、睡眠負債を返済して正しい睡眠時間で眠るためには3週間もかかるということがわかったんです。
だから、睡眠が足りない状態が続いていて、週末に寝だめしても、睡眠負債を解消することはできていないということが言えるんです。
急性の睡眠不足だとすぐに回復しますが、睡眠負債は本人も気づかないうちに長期間蓄積されているので1日や2日では解消しないんですね。すごく怖いことです。
日本人は世界的にも平均睡眠時間が少ない
100カ国睡眠調査で2016年ミシガン大学の研究によると日本は7時間24分でなんと99位世界でも最も短いレベルの睡眠時間だということがわかったんです。
西野先生は日本人の約40%の人が睡眠負債を抱えていると考えられると話していて、他人事ではないんですよね。
でも、7時間半なんてなかなか寝れないですけどね…。
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あなたの睡眠時間は大丈夫?簡単睡眠負債チェック
西野先生が教えてくれていた簡単にできる睡眠負債チェックをしてみましょう!次の項目にいくつ当てはまりますか?
① 最近朝の目覚めが悪くなった
② 最近夜の寝付きが悪くなった
③ 昼間に強い眠気を感じることが増えた
④ 夜中に何度も起きてしまうようになった
⑤ ちょっとしたことでイライラする
⑥ 休日は普段より2時間以上長く寝てしまう
この結果、当てはまるのが0個だったら問題なし。1~2個の場合は軽度の睡眠負債、3~4個の場合は中度の睡眠負債、5~6個重度の睡眠負債です。
さらに、こんな方法も。
休日の日、窓はカーテンを閉めて時計なども隠して、好きなだけ寝てみます。平日に寝ている平均時間よりも2時間以上多く寝てしまった場合は睡眠負債を抱えている可能性があります。
平日の平均睡眠時間と休日の睡眠時間の差が多ければ多いほど睡眠負債を多く抱えていて体に危険な状態なんです。
睡眠負債は美容にもよくない、特に睡眠負債を抱えている眠らない女性は太る
睡眠が足りていないと色々なところに影響がでますが、睡眠負債を抱えていると太りやすいことがわかっています。
約100万人の調査で、睡眠時間と身長と体重から求めるBMIを調べると、特に女性で短時間睡眠の人がBMIが高いということがわかったんです。
BMI25を超えると肥満気味だと判定されますが、そのBMI25を超えていた人の睡眠時間は10時間以上・5時間・4時間・3時間でした。
そして、睡眠時間が短いほどBMIが高い傾向にあることがわかりました。
なぜ、眠らないと太る?ホルモンのバランスが崩れてしまう
眠らずに起きている時間が長いと摂食を抑制するホルモン『レプチン』があまり分泌されず、逆にグレリンという食欲を増進させるホルモンが分泌されます。
なので、起きている時間が長いと食べたい気持ちが強くなりついつい食べる量が増えてしまい太ります。
また、成長ホルモンの分泌が悪くなり糖代謝にも悪い影響があるために太りやすいとうことも言われています。
ダイエットをして運動をしたり、食事制限をしていても、睡眠時間が足りていなければ太りやすい体になるってことなんです。ダイエットのためにはしっかりと寝ることも大切です!
睡眠負債を抱えていて、眠らない人は認知症になりやすい
人が起きて活動している間には、色々な物質が産生されていて、その役割が終われば分解されて排泄される必要があります。無駄なものを体から出す活動は寝ている間に行われています。
アルツハイマー型認知症の原因物質と言われているアミロイドβというタンパク質がありますが、アミロイドβタンパクは、脳の活動が高い日中に多く分泌されて、睡眠中に分解されて脳から出ていきます。
でも睡眠が十分でないと脳から排泄されずに、アミロイドβが溜まってしまうんです。
睡眠負債があるから、認知症の原因になるわけではないんですが、認知症のリスクのある人は睡眠制限の負荷が認知症の発症リスクになる可能性があるんです。
マウスを使った実験で睡眠とアミロイドβの量の関係を調べると
十分に寝かせたマウスと、睡眠を制限したマウスで、それぞれのアミロイドβを比較すると、睡眠を制限したマウスはアミロイドβがより多く溜まっていることがわかりました。
認知症の予防の一つとして睡眠時間を確保することが大事だということです。
知らないうちに睡眠負債を溜め込む睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群というのは、10秒以上呼吸が止まるのを1回として、無呼吸が一晩の睡眠で30回以上、もしくは1時間に5回以上ある状態です。
睡眠中に頻回に呼吸が止まって、脳や体が覚醒状態になるので、いくら寝ても疲れがとれないんです。
酸素不足になることで、脳や心臓は必要以上に負担がかかり脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの発症リスクが高くなります。
アメリカの追跡調査では、重症の睡眠時無呼吸症候群の人が何も治療しないで放置すると8年後には約40%が亡くなってしまうというデータも出ています。
また、太っている人が睡眠時無呼吸症候群になりやすいというイメージがありますが、日本人はあごが小さく気道が細いため、痩せている人や女性子供でも発症する可能性があります。
しっかり寝ているはずなのに疲れがとれない、いびきがうるさいという人は睡眠外来などを受診することをおすすめします。
睡眠負債を解消して最高の睡眠をとるためにはどうしたらいい?最初の90分間(黄金の90分)の眠りを深く眠る
1回の睡眠の中で浅い睡眠と深い睡眠を繰り返すのは有名なことですが、睡眠の質を高めるためには最初の深い眠りがポイントなんです。
最初の90分が1回の睡眠の中で1番深い眠りです。なので、最初の90分をいかに一番深い眠りにするかが、最高の睡眠をとるために重要なんです。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは最初の90分に最も放出されて、1回の睡眠の7~8割ぐらいが放出されています。
眠りはじめの90分を逃すと成長ホルモンは十分に分泌されないことがわかってきました。なので、最初の90分を深く眠れないといくら寝ても疲れがとれないんです。
なので、寝る前はテレビやスマートフォンの強い光の刺激を受けないようにする、眠るのに最適な室温にしておくことなどこころがけるようにします。
成長ホルモンはどんな役割を果たす?
成長ホルモンは若返りホルモンとも呼ばれて、子供だけでなく、大人でも老人でも分泌されるすごく大事なホルモンです。
- 筋肉や骨の強化
- 体のメンテナンス(疲労回復)
- コラーゲンの生成(老化予防)
- 代謝促進(脂肪の分解など)
- 集中力ややる気の増加
つまり体を若く健康に保つには、成長ホルモンをいかに分泌させるかが大事なんです。
では、西野先生が夜しっかりと眠るためにする活動の一部を紹介します。
夜に深く眠るためにすること① 太陽の光を浴びる
夜深く眠るためには、昼間の活動がすごく大事です。なので、昼間も睡眠を意識した活動を心がけます。
朝は太陽の光を1分程度浴びるようにします。太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットします。
夜に深く眠るためにすること② 適度な運動をする
例えば、通勤までの少しの時間、歩いてみたり、自転車で通勤してみたり、軽い運動をして、体の覚醒を促します。
ただし,汗だくになるような運動はしません。覚醒を通り越して疲労に繋がるため、その日のパフォーマンスまで落ちる可能性があります。
夜に深く眠るためにすること③ コーヒーはPM2時以降飲まない
コーヒーを飲む習慣がある人は、眠る6時間以上前からコーヒーは飲まないようにします。
カフェインの効果は個人差がありますが、カフェインの影響は6時間程度続くと言われています。
夜に深く眠るためにすること④ 入浴時間は寝る2時間前
眠気が出るのは、皮膚の表面の温度と体の深いところの温度の差が小さくなった時。なので、ちょうど寝るタイミングで深部体温の温度が下がると、眠りやすいということになります。
深部体温を下げるにはお風呂がベスト!
入浴の時にあがった深部体温は、時間をかけてどんどんと下がっていきます。もっとも下がるのがお風呂からでて1時間30分後。
なので、お風呂に入る時間を入れて、寝る約2時間前に入浴するとより、深い睡眠につきやすくなります。
例えば11時に寝るなら9時に風呂にはいるようにするってことが大事ですね!
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睡眠が足りていないとどんどん睡眠負債を溜め込んで、病気の原因になるだけでなく、太る原因にもなります。仕事などなどやらないといけないことがたくさんあるので、睡眠時間は確保しにくいですが、自分の健康のためには睡眠をしっかりとることを心がけたいです。
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