健康診断の時期になるとコレステロールの値とても気になるのではないでしょうか?
コレステロールが高いと、心筋梗塞や狭心症の原因にもなりかねない恐ろしいものと捉えていました。
しかし、その見方が大きく変わってきています。ゲンキの時間の放送をまとめてみました。
2015年2月アメリカ政府の諮問委員会がコレステロールの摂取制限の必要はないと報告しました。そして厚労省が定める日本人の食事摂取基準の中でも2015年にはなくなっています。
東京女子医大の市原淳弘先生のお話によると、「血液中のコレステロールを上がる人と上がらない人がいる」のだそうです。
その理由は肝臓が体のコレステロールをコントロールしてくれているからなのです。
コレステロールの摂取は食品から30%で残りの70%は肝臓で合成されています。
ですので、体内のコレステロール量が増えると肝臓はつくる量を減らして体内のコレステロールの量を調整します。
基本的には総コレステロールの値はあまり気にしなくてよくなりました。
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コレステロールは悪者?
コレステロールは悪者にされる傾向にありますが、体の中ではどのような役割があるのでしょうか?
実はコレステロールは身体の中にある細胞膜やホルモンの材料になるのです。
そのため、コレステロールは健康な生活を送るために必要なものなのです。
そして、コレステロールの中にも「LDL(悪玉)コレステロール」と「HDL(善玉)コレステロール」がありますがその役割は知っていますか?悪玉は本当に悪なのでしょうか?
悪玉コレステロールと善玉コレステロールの役割とは
LDLコレステロールは、体の材料となるコレステロールを必要な場所へ運ぶ役割を持っています。LDLコレステロールがないと、細胞の傷が修復されません。
そのため、人の体にとっては必要なものです。そして、HDLの役割が余ったコレステロールを持ち去ることです。
LDLが修復するために運んできたコレステロールの中で、余分なものをHDLが除去するわけです。
このLDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスが大切なのです。
LDLが増えすぎると血管内にコレステロールがたまりプラークを形成し、血管を詰まらせてしまうのです。
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血液検査の何を気にすればいい
これまでにも書いている通り総コレステロールの値はあまり気にしなくてもよいです。そのかわりに気にしなければならないのはLDLとHDLの値です。
健康診断などもらう血液検査のデータの見方はLDLの数値/HDLの数値です。この値が3を超えると危険域。2~3が要注意 2以下が正常値になります。
例えばLDLが155、HDLが110個別の基準値は大きく上回っているのですが、155÷110で1.40で問題なしと考えます。
次にLDLが138 HDLが45だと個別の基準値には収まっていますが138÷45で3.1という数字が出るので危険域ということになります。
このようにLDLとHDLのバランスを見ることが大切です。
LDLが増える原因
食べ過ぎによるカロリーオーバー
カロリーをオーバーして食べた場合、余分なエネルギーが肝臓でアセチルCoAという物質を生み出します。これが肝臓でのコレステロールの生成量が増えてします。
結果、肝臓はコレステロールの量を調節できなくなりLDLコレステロールが増える結果になります。
内臓脂肪がたまることもLDLコレステロールを増やす原因になります。食事としてはバターや肉の脂などの飽和脂肪酸もLDLコレステロールを増やす原因になります。
閉経後にLDLが上がってしまう
閉経を迎えると女性ホルモンであるエストロゲンが減少してしまいます。
エストロゲンはLDLを肝臓に取り込み分解を助けLDLを下げる働きがあります。
なので、閉経後更年期を迎えた女性はLDLが上昇しやすい傾向になります。
若いときと同じような食事や運動不足でLDLが上がりやすいので生活習慣の見直しが必要になります。
体質
体質にも原因がある可能性があります。
食事でとったコレステロールは腸管から吸収されるのですが、この吸収が非常に良い体質を持っている人が日本人の約3割にいるそうです。
特に家族が血管の病気になっている場合はこの体質の人が多いので注意が必要です。
こういう場合はコレステロールの摂取量を減らした食事を考えなければいけません。
LDLコレステロールを増やす生活習慣
では、LDLを増やす生活習慣にはどのようなものがあるのでしょうか
- 飽和脂肪酸
- 食べ過ぎ・肥満
- 運動不足
- 睡眠不足
- 飲酒・喫煙
やはり生活習慣によるものが多いような印象を受けますね。
LDLコレステロールが高い人は牛乳やヨーグルトとなどに動物性脂肪が多いので、注意してください。
牛乳が好きな人は1日200ml~400mlもしくは低脂肪にした方がいいようです。
善玉を増やして血管を若返らせる方法
従来、血管内にできたプラーク(コレステロールの塊)は除去できないと言われていたのですが、HDLコレステロールにはプラークを除去する役割があることがわかってきました。
HDLコレステロールを増やす方法はウォーキング・大豆料理、青魚を食べることです。
コレステロールの注意しておきたいこと
注意しておきたいのがコレステロールが高く対応する薬を飲んでもなかなか改善しない場合です。
腎臓や甲状腺の病気などでコレステロールの数値が上がることがあるということです。
血液検査のデータは医師にちゃんと相談し正しい治療を受けることが大切になります。
わからないことがあれば医師にちゃんと相談してくださいね。
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