この差ってなんですかで放送されていた中に、『ふくらはぎを揉んではいけない』ということが紹介されていました。
以前は『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』という本が販売されていて、ふくらはぎを揉んだほうがいいなんてことも紹介されていました。
ふくらはぎを揉んだほうがいいのか、揉まないほうがいいのか一体どっちなのかわからなくなりますね。
今回は新潟大学の名誉教授の岡田正彦先生が、ふくらはぎを揉まないほうがいい理由について解説していたので、なぜふくらはぎを揉まないほうがいいのかその理由を書いていきます。
ふくらはぎを揉むと血栓が飛んで命が危険になる可能性も
岡田先生によると、以前はふくらはぎを揉むと血行が良くなって疲れがとれるって言われていましたが、今ではふくらはぎを揉むのは危険なので辞めたほうが良いということなんです。
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれているのは最近ではよく知られていることですが、ふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋・腓腹筋)は、心臓から足に運ばれた血液を心臓に戻すという役割があります。
立っていたり、座っているときに足は体の一番下に位置するので、心臓に血液を返すには、筋肉のポンプ機能が必要なんです。
ふくらはぎの筋肉は運動だけではなく、血液の循環機能としても重要でした。
これらのことから、昔はふくらはぎを揉むことで、ポンプ機能が促進されて血行が良くなると考えられていました。
しかし、最近の研究では、ふくらはぎを揉むと命が危険に及ぶ可能性があると考えられています。
ふくらはぎの筋肉ヒラメ筋の奥には、後脛骨静脈が走っています。
この静脈は膝窩静脈、大腿静脈などを通じて、下大静脈という大きな静脈へと繋がっています。
ふくらはぎの奥にある静脈は他の血管と比べると、血流が滞りやすく血栓ができやすいんです。
血栓の多くは非常に小さなものなので、そんなに心配することはないんですが、ふくらはぎを揉むことで血栓が一気にはがれてしまう可能性があることが危険なんです。
ふくらはぎで一気にはがれた血栓は、静脈を伝って、心臓から肺へと飛んでいき、肺の血管がつまる肺塞栓という病気をおこす可能性があるんです。
肺塞栓になると、呼吸困難感が現れたり、胸痛などの症状が現れます。
肺の血管が詰まってしまうと、肺胞での酸素と二酸化炭素のガス交換ができなくなるために、最悪の場合命に危険が及ぶ場合もあるんです。
ふくらはぎを揉むと特に危険な人はこんな人
どんな人でもふくらはぎを揉まない方が良いのが、今の考え方ということなんですが、特にこのような方はふくらはぎを揉まないほうがいいです。
- 1日中座って仕事をしている人
- 運動不足の人
- 肥満の人
ふくらはぎの筋肉が動いていなければ、筋肉のポンプ機能が十分に発揮されることはなく、血液の流れが滞りやすくなっています。
血栓ができやすい状態になっているので、ふくらはぎは揉まないほうがいいんです。
ふくらはぎがだるいときにはさするだけでいい
ふくらはぎにだるさを感じるときは、ふくらはぎを揉むのではなく、さするだけでも血行が回復するので、さするだけでもOKです。
また、血流を良くするためには、足首を動かしたり、足の指をグーパーする運動をするだけでも、血液の流れを促すことができます。
また、ふくらはぎがむくんでいるときでも、さするだけでリンパ液などを流すことができます。
むくんでいるときは、足の付根までさすってあげるといいですよ。