一生に一度、腰痛を経験する人は、約90%の人だと言われていて、殆どの人が腰痛を経験するということがわかっています。
しかも、腰痛の中で、骨などに明らかに原因があるというのは15%程度。その他85%以上の腰痛の原因がわからないのが現状です。
だから病院に行っても、「原因がわかりませんね~」って言われたり、対処的に湿布が処方されたり、腰を温めたりする物理療法が処方されたりするわけです。
湿布や物理療法だけでも、改善する人もいるとは思いますが、そうじゃない人もたくさんいます。
じゃあ、原因の分からない腰痛って一体どこに原因があるんでしょうか?
腰痛の原因の一つとして、徳島大学大学院の西良浩一先生(腰痛研究は20年以上5万人以上の腰痛患者を救っている先生)がテレビ番組で話していた事。
原因不明の腰痛(非特異的腰痛)のうちの1つの要因として腰以外にある筋肉の状態がおかしくなると腰痛が発症するのではないかと話します。
腰以外が原因の腰痛を見つけるための検査は立位体前屈
腰以外が原因の腰痛を見つけるのは簡単です。立位体前屈をするだけです(立った姿勢から、指を床につけるだけの検査です)
床から指先の距離が15cm以上あると腰以外の筋肉に原因がある可能性が考えられます。
立位体前屈をするときは足を軽く開きゆっくりと息を吐きながら指先を床に向かって伸ばしていきます。そして無理せずに手を伸ばしたらゆっくりと体を戻します。
絶対に無理をしないでくださいね!勢いをつけて床に手をのばしたりすると、痛みが悪化したり、転倒の危険があります。転倒の危険が高い人がする場合は近くに誰かに見てもらってください。
腰痛の原因になる腰以外の筋肉とはハムストリングス
腰痛の原因はハムストリングスにという筋肉があります。ハムストリングスは大腿二頭筋、半腱様筋・半膜様筋という3つの筋肉を合わせた大腿の裏側にある筋肉です。
ハムストリングスは骨盤後ろ側のつけ根から太ももの後ろ側を通り膝の後ろ側の骨(脛骨と腓骨)につきます。この筋肉は膝を曲げたり、股関節を後ろに伸ばしたりするときに働く筋肉です。
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ハムストリングスが腰痛の原因になる理由はハムストリングスが硬くなるタイトハム
ハムストリングが硬い状態をタイトハムといいます。
タイトハムの状態になってしまうと、体を前傾しようとしてもハムストリングが伸びずに骨盤の動きを阻害してしまいます。(骨盤が前に倒れなくなります)
このために、骨盤の代わりに、腰椎が必要以上に動いてしまいます。前傾姿勢で腰椎が必要以上に動くと、椎間板に炎症を起こしたり、腰周囲の筋肉に疲労が強くなり結果腰痛を引き起こしてしまいます。
タイトハムが原因での腰痛の場合は腰の筋肉をマッサージなどでゆるめてもらって楽になったとしても原因が別にあるので、また、腰が痛くなってしまう可能性が高いので、マッサージはあまり意味のないものになってしまいます。
ハムストリングが硬くなる原因は何?
ハムストリングスが硬くなるのは、座っている姿勢。おしりが引っ込んで、おへそが引っ込んでおしりが垂れ下がった状態で座ってる状態です。
電車の椅子とかでだらしなく座っている姿勢、ソファーでおしりを前に出して座っているような姿勢です。イスに長時間座っているとこんな姿勢になりがちですよね。
このような姿勢の場合は骨盤が後傾しています。骨盤が後傾している場合はハムストリングスは緩んでしまっていてほとんど使われていないのです。そして、使われなく刺激をあまり受けない筋肉は硬くなってしまいます。
ハムストリングスが短い状態で硬くなってしまうと、当然、骨盤の動きが悪くなってしまうため、腰痛の1つの原因になってしまうんです。
ヒザ裏の硬さを簡単に自分でチェックする方法
ハムストリングスはヒザの裏側につくので、ヒザの裏をチェックすると、ハムストリングスの硬さを簡単にチェックすることができます。
足を真っ直ぐに伸ばして座り(長座位)、膝の裏と床の隙間の高さを測るだけです。
膝の裏と床の隙間の高さが
- 2㎝以内なら柔らかい
- 2~5㎝ならやや硬い
- 5㎝以上なら硬い
1つの目安になるので、自分のハムストリングスの硬さをチェックしてみて下さい。
ただし、つま先を天井に向けていると、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)の影響もでるので、足首は楽にして、足を伸ばして座ってみるといいですよ。
腰痛の原因!タイトハムを改善するジャックナイフストレッチ
西良先生が推奨するのはタイトハムを改善する10秒ストレッチです。
膝の高さの椅子を1脚用意します。
- 浅めに座り、足の指が膝の真下あたりに来るように足の位置を調節します。
- 足首を後ろから掴みます
- 胸と太ももをつけ頭を下げます
- そのままおしりをあげます。そして膝を伸ばしていきます。
- 太ももの裏が痛気持ちいいと感じるところで10秒間キープします。この時の胸と太ももを離さないようにしてください。離してしまうと効果が半減してしまいます。
- 10秒後ゆっくり体を元の位置に戻します。
動画はしゃがんだ姿勢からはじめていますが、イスに座った状態からはじめても同じです。バランス感覚が必要になるので、特に高齢の方がこのストレッチを行う場合は転倒に十分気をつけてください。
1日朝と夕の2セットをするようにします。
注意することは絶対に無理はしないことです。
西良先生によるとこれだけでもかなりの効果があるそうです。テレビに出演していた方は運動後立位体前屈がー17cm・ー19.9cmの効果を出していました。
タイトハムにプラスしてふくらはぎの筋肉も伸ばす。かわむら式アンチエイジング・ヨガ
ハムストリングスだけ伸ばせば、腰痛が改善されるわけではないので、ハムストリングスにつながりのある、ふくらはぎについている下腿三頭筋もしっかりと伸ばしましょう。
若年者から高齢者にも人気にあるかわむらクリニック院長、川村明先生が考案した、アンチエイジングヨガから腰痛改善のための2つのポーズを紹介します。
ポーズ1:壁ドンストレッチでヒザ裏を伸ばす
ヨガの戦士のポーズをアレンジして作られたストレッチが壁ドンストレッチ
①壁に向かって足を前後に開きます。この時に後の足のカカトを床につけたまま、ヒザ裏を伸ばすようにします。
②そのまま前の足を曲げて両手を壁につけます。この時に腰がそらないように注意しましょう!反り腰のまま刺激を与えると腰が痛くなる可能性があります。
③ヒザの裏を伸ばしながら5回壁を押します。この時に壁から手を離さなようにします。勢い良く壁を押さないようにしてください。体を揺らす程度のイメージでOKです。
④5回壁を押したら、ひざ裏を伸ばした状態で約5秒間キープします。
ポーズ2:アオサギストレッチでひざ裏を伸ばす
アオサギストレッチはヨガのアオサギのポーズアレンジしたものです。このストレッチはタオルを使うことで誰でもできることができるストレッチです。
①伸ばしたい足の反対側の足のヒザを胸の前に引き寄せてヒザを立てます。
②伸ばしたい足のかかとをつけたまま体の近くに引き寄せます。
③タオルを足の裏にかけて伸ばします。※タオルは足の指の根元にひっかけます。
ここから伸ばします
④つま先が上を向くように意識しながらカカトを突き出します。背筋を伸ばして約5秒間キープします。
僕の場合は、ひざ裏が硬すぎて踵を突き出すことができていませんが、背筋が曲がらない範囲で、痛みのない範囲で行なうようにしましょう!
指にタオルをひっかけると指を痛めるので注意して下さい。
また、まっすぐに足を伸ばしても膝の裏が伸び切らない人は、タオルを片手に持ち替えて外に開いて元に戻るようにします。
ヒザが硬すぎる人が無理に伸ばすと、腰を痛めるので注意してください。
ただし腰痛の原因はタイトハムだけではありません。あくまでもタイトハムが原因となる腰痛が改善するということです。はじめに、立位体前屈をしたときにハムストが硬いかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。
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