食事でむせると肺炎の原因になる。誤嚥を予防するための3つのこと

なるべく健康に長生きするためには、脳梗塞や心筋梗塞、がんなどの病気にならないようにすることが大事です。

でも、これだけでは健康に長生きできないんです。

日本人の死因の第3位にもなっていて、すごく怖い病気が『肺炎』です。

肺炎というと、風邪をこじらした時にかかるなんてイメージがあるかもしれませんが、肺炎になるおおきな原因のひとつに『誤嚥(ごえん)』があります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)なんて病名がついているんですが、食事が原因で肺炎になることがすごく多いんです。

今売れている、「肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい」の著者、西山耕一郎先生のテレビ番組でのお話をまとめました

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誤嚥(ごえん)の意味は?なぜ食事が原因で肺炎になることがあるのか

口の奥の中を見ていくと、喉のあたりは、前側に空気の通り道の気道があって、その後ろにごはんの通り道、食道があります。

健康な人は食べ物を飲み込んだ時、ゴックンの瞬間にいつも開いている気道が閉じて、食道が開き、食べ物が食道に流れるようにしています。

高齢になると喉の力が弱くなりごはんがちゃんと食道を通らない

歳をとるだけが原因ではないですが、年齢とともに飲み込む力が弱くなります。

すると、ゴックンと食べ物を飲み込む瞬間にしっかりと気道にフタをすることができず、食べ物が気道の方に入ってしまいます。

気道に食べ物が入ってしまうことを誤えんといいます。

もし食べ物が気道に入ったとしても、ゴホゴホとムセて、気道に入った食べ物が吐き出せれば問題ないんです。

でも、喉の力が弱くなると、ゴホゴホしても、気道に入った食べ物を吐き出す力が弱くて、気道からだすことができずに残ってしまいます。

気道に残った食べ物は肺の方へと流れていき、肺に炎症を起こすことで、肺炎になるんです。

食事の姿勢が悪いとむせる!誤嚥の原因は食事の姿勢にも関係する。こんな姿勢が危険

若い時なら多少無理な姿勢で食事をしても、肺炎になるまで誤えんするってことはなかなかないかもしれません(抵抗力が強いので)

でも、歳をとって喉の力が弱ると、食べる姿勢だけでもムセて気道に食事が入りやすくなります。

食事をしている時に一番ダメな姿勢は、飲み込む瞬間に上を向いていることなんです。

例えば、テレビが高いところにあって、テレビを見上げて食事をしているのは、最悪な姿勢で食事をしていることになるんです。

飲み込む瞬間に顔が上を向いていると、気道にフタがしづらくなって、食べ物が気道に入りやすくなってしまいます。

上を向いているってことは、気道を確保している姿勢に近いってことなんです。

食事で誤嚥を防ぐ姿勢は首の位置がすごく重要!飲み込む瞬間は下を向いておく

誤えんを防ぐためには、飲み込む瞬間に下を向いていることが大事です。

下を向いていると、上を向いているよりかは、気道が閉じやすく、誤えんを防ぐ事ができます。

上を向いてテレビを見ながら食べてるって言う人は、まずは食事を食べる環境を整えてくださいね。テレビを見ながら食事をしないか、テレビを下の方に置くようにしましょう。

また、飲み込んだ後には~と息を吐き出す習慣をつけておくことも大事です。

気道に食べ物が入りかけて、誤えんしかけていても、息と一緒に食べ物を出すことができるので、軽いものであれば、誤えんを防ぐことができます。

誤えんした!喉に食事をつまらせた!その時の対応はどうしたらいい?

① 呼吸をしているか確認

② 上半身を前に倒して、お辞儀をさせた姿勢にする

③ 背中を叩いてせきをさせる

のどに食事が詰まったって思って慌てて、背中をまっすぐに伸ばした状態で、背中を叩いて吐き出させようとしがちだと思うんですが、この姿勢で、背中を叩いてしまうと、逆に肺の奥の方に入ってしまう可能性があります。

なので、上半身をお辞儀させて、気道を水平にする姿勢で背中をたたくようにすることが大事なんです。

さらに可能であれば、スマホなどついているフラッシュライトでもいいので、明かりを口の中に当てて口の中を見て異物がないか確認します。もしなにか見えたら掻き出すようにします。

また、水を飲ませて飲み込ませようなんてすることもあるかもしれませんが、水は、固形物以上にムセやすいので、よくありません。

あなたの飲み込み力は大丈夫?飲み込み力チェック!

① ペットボトル飲料を上を向いて飲むとよくムセる

② 声をかけたのに、無視されることが多い

③ この頃歩くスピードが遅くなった

④ 大きめの錠剤を飲みにくく感じる

⑤ 食事を終えた直後にガラガラ声になることがある

このうち2つ以上当てはまると、のどの力が弱くなっている可能性があります。

体力が落ちると喉の力も衰え飲み込みの力が弱くなることがわかっていますし、大きな声が出ないとか食後にガラガラ声になってしまうのはのどの筋肉が衰えている証拠なんです。

のど仏を見ると喉の力が衰えているかわかる!あなたののど仏は大丈夫?

飲み込む時にすごく大事な筋肉がのど仏を支える筋肉(舌骨上筋群)です。この筋肉が弱いと、飲み込む時に食道の入り口がしっかりと広がらずに誤嚥する可能性があるんです。

のど仏を支える筋肉は飲み込む時にかかせない筋肉なんです。

この筋肉は、年齢に伴い、筋肉が弱くなってしまいます。のど仏を支える筋肉が弱くなるとのど仏は下がってしまいます。

なので、のど仏が下がっているかチェックすると、のどの力が衰えていないかわかるんです。

のど仏の正しい位置と、飲み込む時に重要なチェックポイント

のど仏の理想的な位置は首の中央より上にあることです。

そして、食べ物を飲み込む時にのど仏は2㎝以上動きます。なので、食べ物を飲み込んだ時にのど仏が2㎝以上動くかチェックするようにしましょう。 定期的にチェックするようにします。

のど仏がどこにあるかわからない…。探す方法は?

男性ならのど仏は出ているのですぐにわかりますが、女性でわかりにくい人もいると思います。

のど仏がわからない時は、「い~」と声を出して音程を上げたり下げたりするとのどに突起が動くのがわかりますそれがのど仏です。

これでもわからなければ、つばをゴックンと飲み込んで見て下さい。この時にのどで上に2~3㎝移動している突起がのど仏です。

のどの周りに筋肉を鍛えて誤えんを防ごう!のど運動をおすすめの3つやってみよう!

西山耕一郎先生おすすめののど体操を紹介します。

顎持ち上げ体操でのど仏を支える筋肉を鍛える

① 下あごに両方の親指の腹を当てる

② 顎を引きながら指で顎を押し返す(顎と指で力比べをする)

③ ②の時に、口を横に広げ、「いー」と言ってのど仏周辺に5秒間力を入れ続ける

これを朝・昼・晩の食事の前に5秒×10回することがおすすめです。

孫や子供と遊びながらできる!吹き矢トレーニング

① A4の紙1枚・折り紙サイズの紙1枚・セロハンテープ・空のペットボトルを用意します

② 大きい紙を使って、直径2㎝程度に丸めて筒を作りセロハンテープでとめます。

③ 小さい紙を丸めてセロハンテープで固めてボール状にします。これで吹き矢の道具が完成!

④ 50㎝先にペットボトルを置いて、ペットボトルを倒すイメージで吹きます。息を思いっきり吸って一気に吐き出します。

1日5分程度することがおすすめですが、やりすぎには注意してください。息を吹き過ぎるとしんどくなります。

吹く力を鍛えると飲み込む力も鍛えられるのでおすすめですが、最近ではスマホのアプリでも、ろうそくを吹き消したりするものや、画面を吹いて何かをするゲームがあるので、スマホアプリを利用するのも一つの方法です。

ハイトーンカラオケ

しっかりと声を出してのど仏を動かすにはカラオケがおすすめ。

特に、高音をださないといけない歌だと、のど仏がしっかりと上にあがるので、歌って楽しみながらのどの筋肉を鍛えることができるのでおすすめです。

 

どか食いや早食い、口の中に食べ物を溜め込んだまま食べる人は年齢に関係なく誤えんしやすいので注意してください。よく話をする人はのどが鍛えれるので、色んな人と話をするといいですよ。

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